試合会場 後楽園ホール(平成17年2月15日) けつの寸評
興奮がいまだ冷めず、何から書けばよいのかわからないが、ひとまず記憶にある限りでお伝えしよう。
試合開始当初から、音田は落ち着いていた。
意識してガードを固め、流れをつかむまではけして冒険しようとすることなく、ジャブを多用して様子をうかがっているように見えた。
とは言え、相手は試合巧者の永瀬選手である。
下手に動こうものならカウンターの餌食になり、打ち残りのスキに容赦なくフックが飛んでくる。
ところが今回の音田は、パンチをもらいつつも冷静さを失わず、けして引くことなくプレッシャーをかけ続けることができていた。
いつものように(と言えば音田には失礼かもしれないが)序盤はクリーンヒットを連発され、見ている方としてはやっぱりどうしてもハラハラしてしまったのだが、打たれた後にカッとしたり、無理矢理強引に出ていこうとすることなく、すぐさまリセット出来ていたのは、いつもと一味違っていた。
木鶏(※3週間前情報参照)の精神を完全に会得することができていたからであろうか。
それはさておき、しばらくはそんな感じで、展開的には永瀬ペースで進行しているように見えていたのであるが、中盤あたりから音田のパンチが永瀬選手のボディーに食い込み始める。
それとともに、しだいに永瀬選手に疲労の色が見え始める。
さすがに元チャンピオンだけあってダウンをとるところまでこぎつけることはできないが、音田の豪腕が確実に永瀬選手の動きを鈍くさせていたのは間違いない。
後半は、それまで我慢していたかのように、力強く相手を攻め立てる。
気がつけば、完全に音田のペースになっていた。
8Rか9Rに出会いがしらの一発を受け、一瞬ヒヤッとするシーンがあったものの、最終10Rが終わった時点で、永瀬選手の方が力尽きていたのは誰の目にも明らかであった。
結局勝敗は判定に持ち越されることとなり、2-0で音田はうれしい勝利をつかんだのであった。
勝利の瞬間のホールの大歓声は忘れることはできない。
とにかく関心したのは、音田にとって10Rは初体験であったにも関わらず、ペースを落とすことなく、いやむしろ徐々にアップしながら戦ったそのタフさである。
たまたま今まで10Rの経験がなかっただけなのかもしれないが、改めて、なんとタフなボクサーなのだと感じた。
とは言え、一番の勝因は、勝利を信じて疑わない気持ちと、一生懸命トレーニングに打ち込んだひたむきさなのだろう。
もちろん、いままでの試合も全力で取り組んでいたのではあるが、特に前回の残念な敗北の後の音田には、何かいつも以上の責任感というか使命感というかなんというか、言葉にはできない何か特別な気合いみたいなものを感じていた。
ただの”逆転KO男”じゃない。
ボクシングに対するたゆまざる探求と、これまでの経験に基づいて構築した「勝つためのシナリオ(by佐々木会長)」を実践することが出来るボクサーなのだ。
まだまだ伸びシロのある選手であることが証明できたのではなかろうか。
本当に、応援のしがいがある選手だ。
感動した!ありがとう!
行くとこまで行っちゃって!!
対 戦 者 音田隆夫 14勝11KO 3敗 VS 永瀬輝男 22勝12KO7敗2分 試合結果 10R 判定勝ち(2-0)
冷静に相手の動きを見る
こんな感じ
これもこんな感じ
時折捕らえる
でもまだこんな感じ
しかし常にプレッシャーをかける
油断できない
明日のジョーみたい!
ボカッ!
何事もなかったかのように立て直す
流れをつかむ
ボディーに炸裂!
音田ペース
本領発揮
ノリノリ
あと1R
渾身の一撃
2-0で勝利
インタビューされてしまってる!
テレビに映ってる!
いい試合でした。
この様子は、スカイAで録画放送されます。
3月1日(火)19:30〜21:30 ・ 3月5日(土)23:30〜25:30 (再放送)
『永瀬戦を終えて』
大勢のお客さんの前でファィトできて気持ちよかったです。前チャンピオンで実績もキャリアも自分より上でしたが全然平常心でした。自分の課題を意識して戦って結果10R判定勝ちですが、早い回にKO勝利した時の試合より数倍イイ経験になった10Rでした。
自分のスタミナにも自信が持てました。まだまだ自分のボクシングは発展途上で下手くそです。でもその分伸びる可能性も大きいと信じてます。これからが勝負です。がむしゃらにボクシングに打ち込んで少しでも技術を向上させタイトルを獲りたいです。
数日休んでまた練習再開します。頑張ります!
音田隆夫
ボクシングやっててよかったな!音田ちゃん!
今度のカラオケはいつにする?