日本スーパーウェルター級タイトルマッチ




試合会場   尼崎アルカイックホール(平成20年12月27日)
けつの寸評
特別何かをするというわけではない。
いたって冷静である。
タイトル初挑戦の緊張感は、ともすればはやる気持ちをおさえるのにちょうどいいくらいであり、見た目はいたって冷静である。
本当のところはわからないが。

そんなこんなで開始。
1R。
始まった瞬間は両者とも固い感じがする。と思ったらいきなり野中選手の左が飛んでくる。右、左でアゴ。音田、若干面食らった感じ。なにげに効いてしまったようである。
なんとか取り戻そうとするも、焦りが見える。一方野中選手は積極的にペースを取ろうと動きを止めない。
接近した瞬間に音田の右が入るものの、空を切るのが目立つ。このラウンドは、野中選手が全力で付きぬけた印象である。
2R。
牽制する野中選手に対し左フックで開始。しかし、キレのいい左を次々と顔面にもらう。
しかし、当然そんなことはおかまいなしに音田は前へ前へ。とはいえ、なかなかクリーンに決められないのがじれったい。
そこに、わりと重ための左フックを振り込まれてしまう。
音田、いいところがまだ出てこない。
3R。
ずりずりと迫る音田に比べると、野中選手はひょいひょいと跳ねているよう。
サウスポー野中選手は左から次々と繰り出してくる。といっても、音田はまったく引かない。
そしてついに音田の右が炸裂。間違いなく野中選手には効いている。
このあたりから野中選手がロープを背負うような展開。
しかし、良く見ていると、受身のように見えながら、上手にパンチをかわしているのは野中選手。大きいのをもらって、かえって冷静になったか、よく見てきている。
音田は押しているようだが、ちょこちょこともらっちゃっている。
そのちょこちょこをまとめて吹っ飛ばそうと繰り出す音田のパンチはすべて全力だ。
それでも時々、野中選手を捕らえる。
4R。
打っても打っても引き下がらない、ゲームセンターのゾンビのようににじり寄る音田に対し、明らかに野中選手はスタミナを消耗しつつあるようである。そりゃ、音田のような強面の男がじわじわと迫ってくれば誰でもそうであろう。
野中選手は的確に左を当て、音田が繰り出す前にクリンチで絡み出した。
なかなか打たせてもらえない。
しかし、同じパターンを繰り返すだけでなく、時折音田のボディもヒット。野中選手、ガクッとくる瞬間あり。
もしかしてと思う。
5R。
技術的には野中選手なのかもしれないが、執拗にかたくなに追い詰める音田。努力が報われ、見事にレバーに決まる。
野中選手はわき腹付近をかばうような姿勢。明らかにイヤそうに見える。ボディ→顔が決まり、これからという瞬間もちょくちょく見られる。
しかし、なかなか長くは続かない。
上手くかわされ、左を決められた。
6R。
動き続けるのは音田。毎度のことながらタフな男である。ロープに追い込み続ける。
カウンターをもらうものの、何事もないかのように振り続ける。何事もないことはないとは思うが。
もらってももらっても攻めの姿勢は変わらない。手を出し続ける。それだけでも相当疲労しているはずだが、あきらめず動き続け、動きが緩やかになってしまっている野中選手のボディを捕らえる。
7R。
またちょっと野中選手の動きが復活。ひょいっとかわされる。
スパンと決めては、さっと離れる。したたかに勝つためのプレイを積み重ねる。
けして破壊力のあるパンチではないが、音田のまぶたはとっくに切れている。数は十分にもらっている。
8R。
じれったいもんである。
さぁ行くかっ!となるとクリンチでからんでくる。
スパンと打たれては、さっと離れる。
勝つためには倒すしかない。
相変わらずタフに迫り寄るものの、あせりからか、かわされるシーンが目立つ。うおおっっ!!
9R。
さすがに音田も疲れてきたか。まるで息が途切れるような瞬間がある。
なんだかんだいって、ここまででけっこう音田のパンチも決まっているが、ここまで維持している野中選手もたいしたもんだ。これがチャンピオンか。
それでも、音田の攻める気持は変わらない。
それと反比例して、野中選手の左が連発する。相当疲れはいるようだが。
10R。
激しい打ち合い。お互い最後の力を振り絞る。
背水の陣で音田は前に出る。しかし、やはり小ぶりな左とクリンチで、どうにも攻めきれない。
さすがにここまでもらい続けたツケがどっと押し寄せる。
倒れることはないが、効いてきたのがわかる。しかしそれでも手を止めないのがすごい。
ああっ、でもやっぱり狙いすまされ、もらってしまう。
場内大声援の中終了。
判定で野中選手。
素直な感想として、けっこう当ててたなというところ。
見た目で大きく何かが変わったというわけではないが、何かが変わったのかもしれない。
ベテランの領域に入ってきてはいるものの、常識を覆して、まだこれからも上積みが望めるのであれば、チャンスは必ずまた来る。
見届けるのが、我々の義務なんだと思ってみたりした。

しかし、相変わらず前へ突き進む様は、本当に頭が下がる思いである。
自分もがんばろうと、また今回も思ってしまいました。
ありがとう。





音田選手より
「残念ながらベルト奪取できませんでした。
チャンピオンはボクシングが上手くチャンスはありましたが、ペースを奪いきれず終わってしまいました。すんません。
年末の忙しい時に東京や地元鳥取県から応援に来て頂いて
本当にありがとうございました 」
対 戦 者   音田隆夫 26戦19勝14KO7敗  VS 野中悠樹選手 26戦17勝6KO7敗2分
試合結果   10R 判定負け

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